■経緯
私のテニス仲間である河野通之氏から学生時代の友人が面白しオーディオ装置を発明したので、試聴してほしいと言われて、新宿御苑に程近い事務所に行く ことになった。 とにかく面白しオーディ機器ができたものだと思った。 弦奏が音を出す仕組みや音源の作り込みに興味を持った。 技術的にはすばらし オーディオ機器であることは分かったが、いろいろな使い方があると思った。 イタリアのフィレンツェに行く予定があったので、せめてカタログをもらって フィレンツェで配ろうと考えた。 イタリアでは日本の技術は評判が良いので、日本のイメージアップにつながると思ったからでした。 しかもフェイレンツェ でヴァイオリンを作っている阿部純さんに会って意見を聞きたかった。 弦奏JAPANの小泉伸太郎氏からせっかくの機会だから現物を持って行ってほしいという ことになった。 そのお蔭でフィレンツェの楽器製造工房などで何回か試聴やデモンストレーションが実現した。 その結果を以下の通り簡単にまとめました。


❶訪問先  阿部純ヴァイオリン工房
      JUN ABE LIUTAIO弦楽製作
        ※LIUTAIO 弦楽製作者
■住所  Via Di Camaldoli 25/Rosso 5012 Firenze ltalia
■電話  +39 055220594
■E-Mail:konzerthaus.junabe@gmail.com
■工房のWebーSite :http://abejun-firenze.wixsite.com/liutaio
■訪問日 2016年11月11日
■訪問者 伊達知見(NPO法人日本アマチュア音楽家支援協会)

■阿部純さんの意見
ヴァイオリン製作者としては、たいへん興味があります。 自分以外でも製作者は興味を持つ人はいると思う。
(1)弾き込み
ヴァイオリンは弾き込んで初めて楽器としての音ができます。 完成品を依頼者が弾き始めると10分、20分の短い時間でも驚くほど音が変わってきます。  音がでないところを(演奏者の感覚的なことも含めて)集中的に弾くことで鳴ってくるということです。 ヴァイオリンは弾かないと良くならない楽器なの です。 ヴァイオリン製作者はできれば、こうした弾き込みに十分時間をかけたいそうですが、現実には時間がなくそこまではできません。 知り合いの ヴァイオリニストに2,3日弾いてもらうこともあるそうです。 一人のヴァイオリン製作者は人にもよりますが、一年間に製作できるのは数本だそうです。  阿部さんは2本が限界といいます。 20年ころ前、弦奏と同じような機械をイタリアで見たことがあるそうです。 ただし、一定の振動を発生させるだけの もので、弦奏のように演奏させることは全くできないものだったので、その後その話は聞いていないとのこと。 ヴァイオリンに振動を与えることがよい効果を もたらすことは分かっていたのではないかと思われます。 振動を与えることとヴァイオリンの音の関係は科学的には解明されていないのではないか、もし論文 があればぜひ読んでみたいということでした。
(2)ヴァイオリンの製作過程における弦奏使用の可能性
ヴァイオリンは表板(モミの木)、裏板(カエデの木)、横板(カエデの木)、ネック(カエデの木)で構成されます。 20年以上乾燥させた材料が多い。  とくに、裏板は組み立てる前に内側を削ります。 厚さ2.5ミリくらいを目標に削り込みます。中央部分は強度のこともあって端よりも厚くします。 どこを どのように削ればよいかを板のあちらこちらを叩き、裏板全体の響きを調整していく大切な工程になります。 響きを聴く格好はレストランのボーイがお盆を 片手にかざしている光景が連想できます(ヴァイオリンの場合は親指と人差し指の二本)。 この格好で耳を板に近づけて響きを聴きながら調整します。  高度な技術と経験が求められる、とても繊細微妙な作業です。 阿部さんが製作中の自慢の裏板で体験させてもらいました。上下左右の端や裏板の中央を、 中指を曲げた状態で軽く叩くと、とても奥深い響きがありました。 この裏板に阿部さんが弦奏を当ててみました。 置いたところによって違った感じの音が します。 自慢の裏板だけあって、弦奏から流れるヴァイオリンの演奏音の美しい響きを聴くことができました。 いままで勘(長い修行で培われた技術)で やっていた工程の中にいわば機械的に測定しながら、削り具合と音色の関連を探ることになるので、この「弦奏」を使った新たな技術の確立が必要になるのでは ないか。 阿部さんは肯定的に考えて、どのように具体な作業になるのか分からないと言います。 たぶん弦奏を使いながら思考錯誤を重ねながら自らが確立 する以外になさそうに思えました。
(2)力木(ベースバー)の設置
ヴァイオリンの内部に強度を保つために設置します。 この位置を決めるときには響きへの影響を考えながらの微妙な調整になります。設置する位置を探ること はたいへん重要な作業です。 この工程に弦奏が使えそうです。 これは日本の琴の件と同じことと思いました。
(3)ヴァイオリン業界
イタリアのヴァイオリン工房は開設してもすぐ倒産してしまうところもあるそうです。 日本から見ると長年工房を続けているイメージがありますが、そうで ない側面もあるようです。 製作者はクレモナのモラッシー氏(Gio Batta Morassi)のように世界的に有名な製作者を含めて100人以上(会員数)います。  その他会員登録していない製作者も多く実態は不明とのこと。 ただし、職人を育てる伝統があり、丁寧に技術を教える環境がある反面、若い製作者間では ものすごい競争があるそうです。 中には「不必要な競争」もあってフェイレンツェに自ら工房を開設したとのこと。 職人さんの業界も難しいとこがあるよう です。 私が訪問している間にも、工房に若い製作者が自分の作ったネックを持参して訪れていました。 阿部さんは各箇所をノギスやマイクロメータで計測 して、長さ、厚さ、傾斜など、寸法と削り方を丁寧にアドバイスしていました。 本来、ヴァイオリンは依頼を受けて製作するものですが、現実にはほとんど 注文がないようです。 楽器商による買取りや楽器店のケースに置いてもらうことが多く、阿部さんのヴァイオリンもニューヨークの楽器店に飾ってもらって いますが買い手はつかないようです。 年間2本程度の製作でメンテも含めると相当な価格になるということ。 実際は塗装の溶け出しや接着部の不具合などの 補修仕事が多いようです。 年間の製作数が限られる理由は、ニスもニカワもすべて手づくりのところもあるようです。 亜麻仁をミンチで押し出し、乾燥させ、 酸化させ、2,3年かけてやっとアルコールに溶ける状態します。 材料の乾燥一つとっても時間軸が違う世界のような感じがします。 多くの製作者の生活は 決して楽ではない様子がうかがえます。 現に工房にネックを持ち込んだイタリア人の若い製作者は弦奏に興味を持ちつつも3万円なら買えるが、今は道具を 揃えるのに精一杯と言っていました。
■他の製作者の意見聴取
これから阿部さんの知り合いの方の意見を聴収します。 世界的に有名なクレモナのモラッシー氏(Gio Batta Morassi)に聴かせたらどうかとアドバイスされ ました。 阿部さんは面識もあるそうですが、フィレンツェから400Km以上離れているので、機会があれば阿部さんに話題提供してもらうようにお願いして おきました。
■阿部さんをWeb-Siteで紹介する件
弦奏を使っている様子を弦奏JAPANのインターネットなどに掲載することの了解は得ました。 逆に自分でよいのか、モラッシー氏のような有名な製作者の方が 良いのではと恐縮していました。
■写真
①塗装の不具合が発生したため補修中のヴァイオリンに弦奏を取り付けて試聴しているところ。 これは阿部さん製作のヴァイオリン。(写真左)
②製作中のヴィオラに弦奏をつけて音をチェックしているところ。(写真右)

   
                             2016.11.11   フィレンツェにて   伊達知見


❷訪問先 Paolo Vettorei and Song Luthiers  (ヴェントリーヴァイオリン工房)
又は Vettori Family Violin - Makers(ベットーリ ファミリー バイオリン工房)
■訪問日  2016年11月16日
■住所  Via della Dogana,10- 5012 Firenze- ltalia
■電話  +39 055287337  
■工房のWebーSite :www.vettoriamily.com
■訪問日 2016年11月16日
■訪問者 伊達知見(NPO法人日本アマチュア音楽家支援協会)  阿部 純 (阿部 純ヴァイオリン製作所)
■対応者名 Dario Vettori (ダリオ ベットーリ)氏
フィレンツェにおいて3代つづくヴァイオリン製作工房で、息子さんもDario Vettori氏は4代目になる。 家族でヴァイオリン製作している。

■インタビューの内容(通訳:阿部 純)
・一日設置してみて、悪くないし弦奏に興味はあるそうです(阿部さんが訪問前日に予めセットしておいたもの)。写真③
・類似の製品をヴァイオリンの完成品に取付けて使っているところが既にある。 CDの音源で使用している(15年ほど前になりますがクレモナのSCARAMUZZA (スカラムッツア)という店で見たそうです。 音源は不明ですが、音楽を聞いていたようで、数台使用していたようです。) 
・ヴァイオリンに直接音楽を鳴らせることが音の改善に効果はあると考えているようです。
・完成品に外部から振動を与えて、それを360°からスピーカで測定した研究書(?)を見せて、測定方法を紹介してくれた。写真④、⑤、⑥、⑦
・この本は、古い楽器に一定の振動を与え360度にマイクを用意して測定したものです。 特に弦奏のようなものを使用して変化を測定したものでは無いと思います (阿部さん)。
・製作過程で使うことは考えていない。 完成品の弾き込みの目的で使用することの効果は認識している。(阿部さん:ヴァイオリンは弾き込むことで音がよくなる ことは、全ての製作家の知るところで、そのためにとても有益な装置だと考えているようです。)
③Dario Vettori (ダリオ ベットーリ)氏と阿部純氏が弦奏の効果を語り合う。
楽器を持ち込んだお客も大変興味深く二人の話を聞いている。(写真左)
④Dario Vettori (ダリオ ベットーリ)氏が説明した本の表紙(写真右)

   
⑤Acoustical Testing
  ⑥測定結果
⑦測定結果によるヴァイオリンの特性グラフ
   

■工房のインタビューを終えての感想
米国では「ROBOTONE」(1995年? $99.00)という機械があり、ギターやヴァイオリンの音の改善を目的に販売されているそうです。 ドイツの音楽関係の カタログに「GEWA Sound Improvement」(2000年 €69.00)という製品があり、楽器と振動の関係には良く知られております。 ただし、「奏弦」のように 高度な機能ではなく、簡単な機械のようです。
                            2016.11.18   フィレンツェにて   伊達知見

❸訪問先 Claudioa Arezio  Liutaio(クラウディア アルツィオ 弦楽器製作所)※Liutaio :弦楽器製作所
■訪問日  2016年11月18日
■住所  Via del Leone,27- 5012 Firenze- ltalia
■電話  +39 055280186
■工房のWebーSite :www.claudioarezioliutaio.it
■E-Mail:arezio@data.it
■訪問者 伊達知見(NPO法人日本アマチュア音楽家支援協会)   阿部 純 (阿部 純ヴァイオリン製作所)
■対応者名 Claudio Arezio (クラウディア アレツォ)氏

■インタビューの内容(通訳:阿部 純)
弦奏を一日セットして試聴してもらった。 関心が高い、たいへん興味を持ってもらった。 ヴァイオリンと違って持ち込んだCDの録音音圧レベルが低かった と思われるが、弦奏の音量を最大に設定してもてでチェロではやや物足りない感じがした。 ちなみにこのチェロはご本人が作成したもの。
■阿部さんのコメント
クレモナのScaranuzzaに電話して、「GEWA Sound Improvement」のことを問い合わせたところ、音楽音源はインプットできず振動のみの機械ということ。  注文すればすぐ入荷できる。 価格は約€900です。 現在、弦奏の機能を有する器械はないようです。 振動を与える機器を個人的に改造して音楽を入力できる もの出回った経緯はあるそうです。 現在は入手が難しそうです。 弦楽器製造者はみんな興味を持ってくれますが、高価なため手が出ない状況です。  一般の人も約€500でボウズ製のコンパクトな再生機が人気です。 とてもいい音がしています。 日本では語学練習用や音楽練習用の機器では10,000円以内で 購入できます。 ただし、音質はかなり差があります。 それにしてもボウズ製の機器はとても良い音がします。 弦楽製造者は興味あり、一般の人はコンパクト 再生機が人気がる。 イタリアではScaranuzzaのような楽器販売店で販売しています。 その他弦楽製造者でも道具を販売しているところがあるので、こうした ところだったら「弦奏」を置いて販売してもらえるのではないか。


❹訪問先  阿部純ヴァイオリン工房  JUN ABE LIUTAIO弦楽製作※LIUTAIO 弦楽製作者 ■住所  Via Di Camaldoli 25/Rosso 5012 Firenze ltalia
■電話   +39 055220594
■E-Mail:konzerthaus.junabe@gmail.com
■工房のWebーSite :http://abejun-firenze.wixsite.com/liutaio
■訪問日 2016年11月21日
■訪問者 伊達知見(NPO法人日本アマチュア音楽家支援協会)
日本からの留学生3名、一年間の予定でフィレンツェに留学している女子学生を阿部さんの工房の見学に誘いました。 弦奏の演奏も聴いてもらいました。
■留学生3名の感想
手づくりの製作工程を一つひとつ熱心に聞いていてくれました。 何年もかけてニカワとニスをすべて手づくりする話も驚いていました。 塗装のことで頭から 離れなかった阿部さんの試行錯誤の日々も興味深い話でした。 手抜きで製作したヴァイオリンの見抜き方の話とか、製作工房の仲間の中でも、良く売れる工房 のヴァイオリンは薄いのでよく響くが、すぐに板がヘタって響かなくなり寿命が短いといった悪口が飛び交う話など、業界の裏話も聞けて楽しい時間を過ごし ました。弦奏の試聴はやはりとても興味を持ってくれました。
■阿部純さんの追加コメント
かつて類似品を持ち込んだ米国人が現在はどこにいるか分からないので、この機械の入手はできません。 ヴァオリン製作者は、誰でも良い音のヴァイオリンを つくることを考えているので、今なら「弦奏」が入っていくチャンスではないか。
製造者対象の楽器道具商(以下の数社)のカタログには様々な材料や道具や情報が載っている。日本の楽器店と取引のある業者もある。
 G,A,Gotz ,jr.  Cremona Toors  Holfer GmbH  DICTUM  GEWA Sound Improvement
楽器製作者はこれらの楽器商、楽器製造道具商のカタログをよく見ているので、これらのカタログに載せるのも良いのではないか。
⑧留学生による試聴(阿部ヴァイオリン製作所にて)
※連続試聴している阿部さん感想 1週間以上連続して工房で試聴している中で、ヴァイオリンのみで演奏を聴くと、当然ながらヴァイオリンの音域に限定されるので、物足りなさを感じる。  つまりヴァイオリンは低音部が出せないのでこれが物足りなさにつながる。 そこでチェロとヴァイオリンのセットで聴くことでこの物足りなさを改善できる のではないか。 様々な曲を聴く機会の多い一般の方々にとっては、コンパクトな再生機器の方がはるかに広い音域を持っているのでこれとの比較になるのでは ないか。
             2016.11.21  フィレンツェにて   伊達知見


❺訪問先 Il TRILLO SUCOLA di MUSICA (トリッロ音楽学校)
■訪問日  2016年12月2日
■住所  Pizza Salvemini,21-5012 Firenze ltalia
■電話  +39 347 0305351
■学校のWebーSite :www.il-trilo.com
■E-Mail:mdentellatoarezio@il-trillo.com.
■訪問者 伊達知見(NPO法人日本アマチュア音楽家支援協会)
■対応者名 Direttore Mattero Dentellato 理事  Direttore Maria Clara Mediana理事
■インタビューの内容
トリッロ音楽学校は最初にレッスンを受けに来た2008年以来、今回で7度目になる。 最終レッスン終了後、日本から最新の音響機器を持ってきているので、 試聴の機会を頼んだところ快く承諾してくれた。 いつも日本から来てくれて感謝とお礼を言われた。 理事の部屋にギターがあったので、弦奏をセットして 試聴してもらった。 お二人もたいへん興味深く試聴してくれた。 ギターから音が出る仕組みに不思議がっていたので、音源からアンプを通して「弦奏」に ついて一通り説明した。 「弦奏」の部分について「ここで音をCREATEとする」と言ったら、そのことでやっと納得してもらった。 ギターの胴体部分に当て たり、机の上に当てたりして試した。 箱なら何でもOKだとういうと、楽器のカホーンを持ってきた。 上下左右の面に当て音が出るのでさらに理解して もらえた。 人の声はどうかと言われたので、もちろん大丈夫だと応えた。 単に聴くだけではなく、音楽学校のレッスンに使えないかと尋ねてみた。  とてもいいアイデアの機器だと感心してくれたが、具体的な使い方はすぐには出てこなかった。 この機器を持ってきた目的を何度も聞かれたので、今回は 商売ではないこと。 日本の友人が開発した最新の音響機器の話題提供の目的で持ってきた。 単に聴くだけでなく、使い方のアイデアがあれば教えほしい、 とくに音楽学校ではどうか尋ねてみた。 事務員といろいろな使い道を話していたが、明確な使い道は出てこなかった。 販売しているのは日本だけかと 聞かれたので、日本、アメリカ及びEUですでに特許を取得していること、今年から発売開始していること、目下、日本だけだが、ゆくゆくは海外でも販売でき ればいいと思うと答えておいた。 とくに理事はとても関心を寄せてくれて、年内にイタリア、スペインそして日本と音楽関係者の会議がるので、話題提供 できるといいが、来週帰国するのなら難しいですねとがっかりしていた。
■感想
音楽関係者(演奏者、教える側)へのインタビューだったので、弦奏のアイデアは楽器製造者とは別の観点から十分に伝わったと思う。エイジングのことも 分かってもらえた。
                          2016.12. 2   フィレンツェにて 伊達知見


■フィレンツェにおける「弦奏」試聴の総括
1)反 応
今回フィレンツェにおいて「弦奏」を5回試聴してもらう機会を得ました。 試聴して頂いた方々の全てで驚きやたいへんな興味を示してくれました。 中でも ヴァイオリン製作者は完成品のエイジングの重要性は十分認識しており、そのために「弦奏」が良い効果をもたらすことは十分に分かってもらえました。  一方、音楽関係者(演奏者など)は良いアイデアの音響機器として興味を寄せてもらいました。 いずれにしても、一般の方へのインタビューの結果も含めて 好評でした。
2)使い方
とりわけ、弦楽器製作者は完成品のエイジング以外には興味を示しませんでした。 製造過程における具体的な使用法を提示することまでは出来なかったので、 現時点では止むを得ない結果と考えます。 阿部純氏の見解によれば、製造過程のいくつかの局面で使える可能性はあるといいます。 ただし、どの場面で どのように使えばよいかが分からないので、新たな技術として確立させる必要があるということでした。 そのためにはある程度の時間が必要と感じました。  また、音楽関係者に具体の使用法を尋ねましたが、即答を得ることは難しかったです。 やはり使用しながら、教材として利用することを見出してもらうことの 重要性を改めて感じました。
3)フィレンツェで今後求められることは?
(1)試聴機会の提供
トリッロ音楽学校の校長から、今後「弦奏」を試聴したい時や知人に紹介する時など、フィレンツェでどのようにすればよいかを問われました。 この対応と しては、阿部純氏からは自らの工房を「弦奏ショウルーム」にしてよいという申し出を受けました。 有難い話ではあります。 私も弦奏JAPANも阿部氏の業務に 支障にならない範囲でお願いすることになりました。
2)クレモナやカタログへの対応
ヴァイオリン製作の本場はクレモナ(Cremona)です。 有名な工房や世界的に知られているモラッシー氏(Gio Batta Morassi)に試聴してもらうことを 阿部純氏から勧められました。 阿部氏の知人でもあるので機会があれば試聴してもらうようにお願いしてあります。 しかも、弦奏のような音響機器は現在 存在しないので、カタログなどに記載して存在をアピールするチャンスではないかと提案を受けました。
3)試聴に適した曲の選定
ヴァイオリンは高音域(200HZ~20,000HZ)の楽器なので、低音部のある音域の広い楽器(チェロ、ギターなど60HZ~660HZ)との組み合わせとその特性を発揮 できる曲を選定するとより良い試聴効果が得られると思います。 例えば、バリトンの音域は概ね140HZ~700HZです。
  例)パガニーニのソナタ:ヴァイオリンとギターによる演奏  
  映画音楽/ひまわり、ロメオとジュリエット:ヴァイオリンとチェロ
  演出例)ギターを弾けるピアニストが弦奏を使った演奏など

4)その他の対応
阿部純氏の奥様である陽子様は音楽家です。 フィレンツェでピアノやコーラスを教えています。 30年以上住んでいるので、音楽関係者など知り合いもいると 聞いています。 今後、弦奏を使ったコンサートの演出など、期待できるかも知れません。

5)さいごに
かねてよりフィレンツェにおける日本(人)の評判は悪くないと感じていました。 今回は日本のイメージアップにつながるのではと考えて、「弦奏」の紹介を させてもらいました。 結果はアイデアのある最新の音響機器として好評だったことから、当初の目的は達成できたのではないかと考えております。 これまで フィレンツェ通いしてきたことも活かすことができました。そ のうえで、弦奏を通じて新たな方々との出会いがありました。 滞在中はたいへん楽しくもあり 有意義な体験をさせて頂き感謝申し上げます。 今回の試聴が今後の「弦奏」のさらなる発展につながることを願っております。
                                              以上

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